あ・Sから〇〇〇のアドリブ独断偏見診断簿(シリーズその1)


あ・Sというタレント(芸人)から、女優をめざしているらしい、芸人がいる。
彼女の特長は、女子アナに対抗心を燃やすことで培われた、劣等感をバネに、
笑に消化というか、昇華するという(誉めれば)得意技がはまったときに成立する。

その彼女が婚カツ」願望も果たし、芸そのものの劣化が始まってきた。その予兆は、
テレ朝のロンドンブーツが司会する番組で出ていた。つまり、いつの間にか、
「いい女」にキャラ変更しだした。


オレはそのときに、これやったら、YM(Hスキアナ)に負けると思った。以後、
その番組そのものも見る機会もなくなって、一年以上になる。

さて、あ・Sが「いい女」ぶりを発揮したのは、年末の某所、小田急相模原大野の
ハロー・ワークのカウンセラーとして現れたときだった。

オレはここで、映画プロデュサーの夢(1本だけ)を実現するために、あるしかけをした。
彼女と一緒に番組に出ていた、I・Aが引退後変死したという、スキャンダルを耳にしていたからだ。
もちろん、最初からあ・Sと気づいたわけではない。似ていると思って、自分の選んだ
求人情報を見て、電話をかけている声ではっきりと、本人がふけメーク(なぜか黒目にファンデ)
て現れたことを気づいたのだった。

その演技というか、問い合わせ方は特にどうっていうことはない。女子アナ崩れという言い方は
失礼ではあるが、〔愛のエプロン〕などで、料理もできることをアピールして、
ライバル女子アナに一歩も二歩もリードしたつもりだったのに、実はライバルはもっと違う方向にいた、
ということを知ったあ・Sはあせっているように見えた。

オレ 「あの、履歴書送れ! ていわても、年齢制限はタテマエで私のように団塊世代はだめですよ!」
あ・S「いや、そんなことありません。大丈夫ですよ。ただ、年末ですからね、来年になるところが多いでしょうね」

結局、4件ほどピックアップした企業資料に電話した2件が履歴書送付ということになったのだが、
結局は履歴書を送る行為まで至らなかった。一件は自分で電話してから、ということだったので、
電話をしたが、自分の希望職種は、すでに採用が決まっていた。つまり、ハーロー・ワークと横文字に変え、
ネットやパソコンでリアル情報を駆使していると、いっても公共職業安定所時代と本質は
ほとんど変わっていないのだ。オレの経験でも、編集・著述などという仕事が職安で成立する例はなかった。
ネット時代なら、直で就職・募集情報を流せる。有力某あ新聞もある。(最近劣化)

何がいいたいかというと、この時期、派遣切りが猛烈な勢いで起こり、年末派遣村が設置された時期とリンクした。

あ・Sがそのことを自分の支持母体の代弁者として、どう社会的に認識していたのかを
問われているのだ。

「いま、若い人も含めて、派遣切りで大企業から寮を追い出されて、住む部屋ない、といってるでしょう。どうなってるんですか。おかしいやろ! 思いませんか。派遣法おかしくないですか。金融不況がきた。待ったなしやと。だから、派遣法ってあったんちゃうんでっか? 製造業まで認めて、」

オレは自分のペースに持って行くチャンスをうかがった。するとアドリブが次々とでてきた。自分でも驚いた。

「最近、I・Aが孤独死したっていうじゃないですか。あなたはどう、思います。みんなタレント仲間は『いい人で思いやり、気配りできる人だった』って誉めている。だのに、孤独死、私にはわからないですね。友達も多くいたという、じゃないですか。だのに、なんでやねん。どうして? そんな世界なんですか? 芸能界って? やめても友だちなら異変に気がつくんじゃないんですか?」
という意味のことを捲くし立てた。

そう、私はあ・Sがどのようにアドリブを効かし芸人、いや女優のプライドを発揮するかに、大いに期待したのだ。
しかし、がっかりした。普通に応えた。忘れるほど、思い出せないほど印象にない応答だった。

実は、あ・Sはこのとき以前にも接触してきた。ここでは大物も配置していた。
オレは水虫で苦しみ、国立病院の皮膚科に行った。
医薬分業システムの採用により、単純に信号を渡ってすぐの角地にある「愛?」の薬局に入ったときに、あ・Sが受付にいた。初めてということで、
「この書類に病歴の有無、飲んでいるお薬あれば書いてください」と書類を出してきた。
このときにも、あ・Sは油断した。

素になって、「あれ、バ〇〇ーもあるの?」とつぶやいたのだ。
(患者の個人情報そんなところでもらすなよ。)
あ・Sとおもったのはいうまでもない。そこでもいろいろあるのだが、それは書けない。

さてさて、とある整形外科医院へ腰を痛めているオレは、通っていた。あ・Sがふたたび現れたのは、
今年の暖かくなったころだった。それ以外にもあるが、時間系列を書くのが趣旨ではないので、カット。

私は『仁義なき映画論』(ビートたけしの本をこれみよがしに、いつも愛用するどらえもんポケットの(マンション宣伝の赤いビニール袋)から取り出し、長いす方向のあ・Sとおぼしきおばさんの隣に座った。
「いい靴はいてますね」とオレはアディダスの靴をさりげなく誉めた。実際、オレは新しいあ・Sがはいている靴ほしいのだが、懐がさびしいので買えないできた。
「私のこの靴(安ものアディダススニーカー)先がはがれてきて……」
めずらしくオレから話かけたのに。
ちなみにその整形外科医院は正面入り口から入ると右側に座敷しつらへの待合座席があり、左手が受付コーナー、その左手の壁側に二三人用の長いす、入り口左側に五六人用長いすが配置されており、無料の血圧測定器が受付のコーナーに置かれている。

ビートたけしさんの映画、私はよくわからないんです」とあ・Sにストレートを投げてみた。

オレはあ・Sなら当然、たけしさんはよく知っているわけだから、女優にシフトしているのなら、
とうとうと、とはいかなくても、持論の映画論をさりげなく披露してくれたり、
ギャグで返してくること、つまり、空振りされたら困るのだ、を期待していた。
(「打ってくれよ!」)
と球投げてるのに、

あ・Sよ!

「みんなそういいますね」だって。

みんなって誰やねん。

あ・Sの意見を聞きたがって、観衆?(待合のひとたち。および受付)も耳そばだてていたのに。K・Yめ。

「カット、カット」。

ちゃんちゃん。

こんなんでシリーズ1はどうかしら。